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『安井浩司「俳句と書」展』公式図録兼書籍 立ち読み

2012/9/5

 

 

 

【書籍情報】

  版型 A4版

  ページ数 121ページ

  刷色 表紙モノクロ 本文フルカラー

  ISBN 978-4-905221-04-3

 

【目次】

  『御挨拶―俳句と書、一体のゆめ』 安井浩司

  『安井浩司自選一三〇句』 安井浩司

  【図版】 軸作品図版(30点)

  【ロングインタビュー】安井浩司、俳句と書を語る。

  【図版】 色紙作品図版(42点)

  【安井浩司を巡るエセーと評論】

    『俳人安井浩司の日常を問われて』 豊口陽子

    『ねだりの梵─わがお浩司唐門會』 酒巻英一郎

    『書前に立つ一句』 田沼泰彦

    『極北の俳句』 鶴山裕司

    『書について』 山本俊則

  【資料】 『墨書句解題』 田沼泰彦

  『安井浩司年譜』 金魚屋編集部編

  奥付

 

【内容紹介】

『安井浩司「俳句と書」展』は、総合文学ウェブ情報誌 文学金魚のオープニングイベントとして、2012年10月8日から14日まで銀座ギャラリーノアで開催される個展の公式図録兼書籍です。個展で展示される軸30本、色紙42枚すべての写真図版を収録しています。また安井への8時間に及ぶロングインタビュー、および安井に関するエセーや評論も掲載しています。安井の自選俳句130句も収録されていますので、安井浩司がどんな俳人か御存知ない方でも、この書物一冊でご理解いただけるように構成されています。

 

安井は墨書展について、「安井浩司の俳句の裾野に、もしや新しい人が立つとすれば、そういう方々のために、安井浩司の体温を感じさせる「物」を残しておきたいと思ったんです。いわゆる「遺品」です。遺品を残したいな、という思いになったんです」とインタビューで語っています。安井によれば、本書は最初で最後の墨書展のための図録兼書籍です。
表紙は墨書展らしくモノクロ、本文はフルカラー印刷です。個展のために制作した新作墨書のほか、旧作墨書も書物全体に散りばめられています。以前から安井文学に興味を持っている方にとっても、これから安井文学を読もうとしておられる方にとっても、とてもわかりやすい入門書になっています。

 

【著者について】

安井浩司は昭和11年(1936年)生まれの前衛俳句作家です。18歳の時に寺山修司を中心とする10代の俳誌『牧羊神』に参加し、昭和34年(1959年)に永田耕衣に師事しました。耕衣主催の『琴座』に寄稿しながら、昭和39年(1964年)には高柳重信主宰の『俳句評論』に参加し、多くの優れた前衛俳句作家と交流しました。昭和43年(1968年)には加藤郁乎、大岡頌司らと共に俳誌『ユニコーン』を創刊しています。耕衣死去にともなって『琴座』が終刊した後は、いかなる俳句結社・団体にも所属せず、秋田で一人、孤高の姿勢を保ちながら俳句を書き続けています。安井俳句は難解だと言われますが、その特徴は、俳句を趣味や習い事としてではなく、純粋に『文学』として捉えていることにあります。安井俳句は文学としての俳句の可能性を探究し続ける極めて質の高いものです。

 

1936(昭和11)年

      秋田県能代市に生まれる。

1951(昭和26)年・15歳

      県立能代高校入学。

1954(昭和29)年・18歳

      寺山修司を中心とした十代の俳句研究誌「牧羊神」が刊行され同人参加する。

1959(昭和34)年・23歳

      秋地一郎名で「琴座」同人となる。

1962(昭和37)年・26歳

      秋地一郎名を棄て本名をもって「琴座」再同人となり、生涯の俳句業を決意する。

1963(昭和38)年・27歳

      第一句集『青年経』を永田耕衣の跋文を得て刊行。

1964(昭和39)年・28歳

      大岡頌司の推薦をもって高柳重信主宰の「俳句評論」同人となり、終刊まで在籍する。

1968(昭和43)年・32歳

      加藤郁乎を中心とした前衛的俳句同人誌「ユニコーン」に同人参加する。

1976(昭和51)年・40歳

      第一回秋田県芸術選奨を受賞する。

1977(昭和52)年・41歳

      掌論集『声前一句』刊行。現代俳句協会を退会。以後どの団体(協会)に属することもなかった。

1993(平成5)年・57歳

      『安井浩司全句集』刊行。

2003(平成15)年・67歳

      第十三句集『句篇』刊行。第一回吟遊賞を受賞。

2008(平成20)年・72歳

      『安井浩司選句集』刊行。

2009(平成21)年・73歳

      『海辺のアポリア』刊行。『増補版 安井浩司全句集』刊行。

2010(平成22)年・74歳

      『海辺のアポリア』にて第八回「鬣」賞を受賞。

2012(平成24)年・76歳

      銀座の「ギャラリー・ノア」にて「安井浩司『俳句と書』展」開催。